銀魂で妄想
□想い出-高杉-
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高杉
(俺はどうしちまったんだ)
こんな時に雀の事を考えている。
いや、こんな時だからこそか。
高杉
『雀…』
名前を呼んでみる。
「高‥杉、さん?」
高杉は半信半疑でゆっくり振り向いた。
・・・
雀
『あ、雨だ…』
小走りで雨宿りできそうな場所を探す。
行く宛があるわけではないが、雀は時々一人で出歩くようになっていた。
あの人に会えることを願って…
病室で逢って以来気になって仕方なかった。
外に出ればまたすぐに会えるような気がする。
確かにそう思っていた。
でも…
目の前に全身血だらけの高杉がいる。
こんな形は望んでない。
雀
『嫌…』
雨が一層激しさを増していった。
高杉
『静かに』
雀の手を引き、とうの昔に人は住まなくなったであろう長屋に連れて行く。
雀は訳が分からない。
雀
『高杉さん、その血は…』
高杉
『これは俺の血じゃない。俺の血は一滴だってついてねぇ』
お前は俺を嫌いになるだろうか。
高杉は胸に強い痛みを感じた。
雀
『よかった』
へなへなとその場に崩れ落ちるように座り込む。
高杉
『今、何て?』
思わず聞き返してしまった。