銀魂で妄想

□想い出-銀時-
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銀時は雀を車椅子に乗せ、目を瞑らせながらある場所に来た。


銀時
『目、開けていいぞ』


『うん』


ドキドキしながらそっと目を開く。


長い沈黙。


雀は静かに涙を流していた。


自分でもわからない。


止めどなく溢れてくる。


でも…


これは温かい涙。


銀時
『此処はな…』


俺は迷った時、不安を感じる時この場所に来ていた。


江戸中が見渡せる場所。


数多くの護りたい物が見える。


“護ってみせる”


決意を新たにすると、気分も自然と晴れてくる。


此処は…


俺だけの秘密の場所。



『どうしてそんな大切な場所に連れてきてくれたの?』


銀時は少しはにかむように笑った。


事故に遭う1か月くらい前、雀を連れてこの場所に来た。


ずっと檻とも言える部屋に閉じ込められていた雀に此処から見える景色を見せたかった。


今は此処から見える場所なんか簡単に行ける。


雀が望むならもっと遠く、広い世界にだって行ける。


銀時は、もしかしたら自分達が雀を引き留めているのではないかと思った。


ずっと一緒にいてほしい。


だけど雀はそうは思っていないかもしれない。


それを確かめる為に此処に来た。
 
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