一輪の華(銀魂)
□潜入
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店長
『ウチで働きたい?』
ジロジロと二人を品定めするオールバックに顎髭の厳つい男。
店長
『うん、いい。いいね〜。じゃあ今日は体験入店って事で、よろしくね♡』
緋那はホッと胸を撫で下ろす。
先ずは第一関門突破だ。
遡ること数時間前―。
山崎
『緋那くんちょっといい?折り入って頼みがあるんだけど』
山崎と近藤が緋那の部屋を訪れた事がきっかけだった。
緋那
『何?そんなに改まって』
山崎
『実は…』
近藤
『これッ』
山崎の言葉を遮り、近藤が紙袋を差し出す。
近藤
『着てみたいか?』
緋那
『???何ですかこれ…』
渡されたのはぶりっぶりのメイド服。
緋那
『着たくないです』
近藤
『だよなッ。じゃーこの話は終わりッ』
山崎
『ちょっと局長、過保護卒業するんじゃなかったんですか』
近藤
『緋那が着たくないって言ってンだから仕方ねぇだろー』
山崎
『いや、だから順を追って説明しないと』
緋那
『何なの?話が見え…』
カララッ
「ン?まだ着替えてないの?」
いきなり戸を開けて入ってきたのは、メイド服に身を包んだ長身の美少女だった。
緋那
『総、悟…?』
総悟
『サド子って呼んで♡』
チッチッチッと指を振りウインクをする。
総悟
『お前もさっさと着替えな』
近藤
『あー、総悟、その件なら…』
総悟
『さてはお前、俺に負けるのが悔しくて着れねェんだろ』
近藤
『おい、緋那を煽…』
緋那
『近藤さん、部屋借りますね』
勝ち誇った笑みを浮かべる総悟に挑発され、緋那は紙袋を片手に出て行った。