南国娘(PAPUWA)

□魔法薬@
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近藤
『わしが介抱する』

土方
『だから何も外に行く事ァねぇって言ってんだ』


尚も執拗に食い下がってくる近藤が疎ましくなり、段々頭に血が昇っていく。


ブチッ


土方
『いい加減しろッ』


とうとう近藤は家の外に放り出されてしまった。


土方
『そんなに外に行きてぇなら一人で行ってこい』

近藤
『ちょ、ま、待て…』


ガタッと鍵を閉める非情な音。


近藤
『トシ、トシっ』


扉を叩くが開けてくれる気配はない。


ヤバい、非常に拙い。



・・・



土方
(ん?)


台所でコップに水を注ぐ土方の視線の先は見慣れない小瓶。


昼食を作った時にはこんな物はなかった。


何だろうと手を伸ばしかけるが、リナの声が聴こえて慌てて水を持って行く。


土方
『ほら、これ飲め』


リナは上半身を起こして水を受け取った。


土方
『大丈夫か?』

リナ
『ン、はい…』


軽く頷いてみせるが実は全然大丈夫じゃない。


人肌に触れたい衝動を抑えるのに必死…


ポスッ


大きな手が不意に頭に置かれた。


土方
『疲れが溜まってる時ってのは酔うのが早いらしいぜ』


長い指で優しく髪を撫でる。


土方
『無理してんじゃねぇのか』
 
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