南国娘(PAPUWA)
□歓迎
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パプワ
『はっはっは。そうたぎるな』
パプワは日の丸の扇子を広げ、リキッドを仰ぐ。
パプワ
『今夜は島中のみんなを集めてリナの歓迎会をやるぞ。リキッド、宴の用意を頼む』
リキッド
『おう、飛びっきり美味いモン作ってやるから腹空かせて待ってろよ』
そう言ってリナに片目を瞑ってみせた。
リナ
『…嬉しい。みんなありがとう』
パプワ
『気にするな、今日からお前も友達だ』
・・・
リナ
『……………』
体育座りで泣きながら地べたにのの字を描き、ブツブツとデッサン人形のトージ君に話しかけているアラシヤマはハッキリ言って怖い。
けど。
リナ
『ありがとう、アラシヤマくん』
アラシヤマ
『へぇ?』
一人蚊帳の外に追いやられていた可哀想なアラシヤマは顔を上げて首を傾げた。
リナ
『一番初めにお友達になってくれたのがアラシヤマくんで良かった』
アラシヤマが連れてきてくれたお陰で、この島にもすぐに馴染めそうな気がする。
アラシヤマの涙の量が増した。
アラシヤマ
『喜んでくれて何よりどす。リナはんの喜びはわての喜び。嬉しおす』
キュゥン
涙を拭い、微笑むアラシヤマを見て不意に胸が高鳴る。