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□わかってんのか
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うつらうつらと夢の中



誰かの声が聞こえた気がした



「   」






はっ!

仕事中に寝てしまった

しかも副長の仕事の手伝い中だった……



すぐに正座に正し、頭を畳にめり込ませるほどの勢いで土下座を発動する



「おっ、おはようございまする!いやぁ、昨日は寝るのが遅かったせいでね―寝不足なんですね―

いやぁ本当にすいません

沖田隊長みたいにわざと寝てるわけじゃないんですよ!」





「何いってるんでさァ」


でさァ……???

ゆっくりと顔をあげると


そこには沖田隊長




「えっ!なんで沖田隊長がここにいるんですか!」


「ここにいるってなんでィ、副長に向かって」



「いやあなたは一番隊の隊長じゃないですか!」




「なーにを馬鹿なことを言ってるんでィ」


「……????」


どういうことなんだ?


「本当に副長なんですか?」


まさか冗談だろうと思いながらも聞いてみるが答えが変わることはなかった



「真撰組副長沖田総悟でさァ」



びっくりしながらも本来副長の座にあるべきであるあの人のことを聞いてみる



「じゃあ土方さんはどうしたんですか?」


すると途端に不思議そうな顔



「土方って誰でィ」



なんてこった!

それと同時に最近読んだ漫画の内容を思い出す



「パラレルワールド?」

それしか考えることはできない

言うなれば副長、いや土方十四郎が存在することのない世界に


来てしまったのか、私は


「何言ってるんでィ?ほい仕事」


「はい、」



取りあえずは不審に思われないように過ごして帰る方法を探そう

これも漫画の請け売りなのだが




目眩がするほど高くそびえ立った書類を目の前に作業する内、


一つ疑問が見つかった


「それで、沖田さんは何をしているんですか?」


「何って、仕事をちゃんとしているか監視でさァ」


監視だって?目の前にはおせんべいを食べながら寝転ぶ沖田さん



こんなとき、副長だったらため息をはきつつ手伝ってくれるんだけどな…



「さぁさっさと仕事してくだせェ」


言いたいことは山のようにあるがこの人に付き合っていては命がいくつあっても足りない




「俺は心の目で監視することにしまさァ」



そういいつつアイマスクを下ろし眠りにつく沖田さん



副長がこんなでは

真撰組はいったいどうなっているのか…


「考えただけで恐ろしい!」



抜き足差し足忍び足で様子を見にいくことにする








廊下にでるとまず見えたのが一心不乱にラケットを振る山崎



こんなとき副長だったら
『山崎ィィィィィィ!!』って怒るんだろうなぁ



しばらく歩いていくとお妙さんとかいう人が、局長のストーカー被害に耐えかねて、屯所に乗り込んできており




床にはかつて局長であったはずのゴリラが横たわっている

「局長!しっかりして下さい!」


すると彼は微かに目を開け

「俺はストーカーではない、愛を追い求める追跡者(ハンター)さ」
そういって力尽きた、


本当にどーでもいいなー
びっくりするくらいどーでもいいなー


気付くと私の周りには
死屍累々の景色が広がっていた



ハァとまたため息をこぼす


「もう疲れた…」



「仕事サボってぶらぶらしてるなんていい度胸だねィ」


「疲れたんなら眠らせてあげやすぜィ」

なんだと!隊長が優しい


「永遠になァ」


そんなことだと思いましたよ。


そんなのんきなことはゆっくり考えていられなくて、

次の瞬間突きつけられたのはバズーカ



「さぁひと思いに眠ってくだせェ」



「ちょっ!ちょっと待ってくださいよ!」



「問答無用でさァ」

カチャリと手をかける音がして…




そこで




目が覚めた

って、
目が覚めた…………????


「テメェ何寝てんだ」

私の横にはいつものように
真撰組副長の土方さん



「オラ!ぼーっとしてねぇでさっさと仕事しやがれ」


仏頂面で私を怒ってくれる

本当に本当の副長だ


「ひ…土方さぁぁん」



やっぱり真撰組には土方さんがいないとだめだ…

この世界に土方さんがいるという事実に安心して思わず抱きつく

「やっぱり土方さんがいないとだめみたいです…」



「えっ!お前!急に!…」



「どこにもいかないでくださいね」


「なっ………!!!」




そんなことを言われては

俺だって黙ってはいられねぇ


わかってんのか!


俺が、お前の言葉に、

どんだけ一喜一憂してるか

っていうこと!



(わかっちゃいねぇとは思うがな)

(まぁ、これからわからせてやるよ)










おはこんにちばんは
管理人の吉です
今回の作品は
ワールドイズマイン:初音ミク
をイメージして書いてみました!
至らない所が多すぎますが、今後ともmiss!をお願いします

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