main [short BL]


□今日この頃。
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「なぁ、獄寺――…」
「…んだよ、野球バカ!!」

いつも、俺達の会話はここから始まる。



今日この頃



今日、この頃――…俺は獄寺に疑問を抱いた。
7月も終わりに近付き、8月に差し掛かろうとする夏真っ盛りな間中。俺はいつも疑問に思うんだ。

「なぁ、獄寺――…」
「…んだよ、野球バカ!!」
「お前…髪下ろしてて暑くねーの?」

そう、疑問に思っていたこと。それは、

“その長めの髪で暑くないのか”

と言う事。
たまに、本を読んだりするときや勉強をするときは髪を結っているのを見た事が在る。
だが、髪を結うくらいならば切れば良いんじゃないか、と思う。

「――ああ゛!?お前ェには関係ねーだろーが!!」
「確かに関係ねーけどよ。気になるんだよな。何で短くしねーの?」

最初から、そんな素朴な疑問を抱いていた。
冬には良いだろうが、夏は本当に暑そうだ。

「…だからぁ…!!お前ェには関係ねーだろーが!!」
「良いじゃねーか。気になんだから」

先ほどから会話がループしているような気がする。
だが、そんなのは関係ない。
ただ獄寺が教えてくれれば済むことなのだから。

「――…はぁー…ったく…意味わかんねーんだよ、野球バカ」

前髪をガシガシと掻き毟るような仕草をする獄寺を見据えながら、言葉を大人しく聞いていた。
諦めたような口調、溜め息。きっと教えてくれるのだろう。

そんな勝手な解釈をしながらも、更に獄寺を見据えていれば、どこか恥かしそうに頬を淡く赤めながら、俺とは視線を交えない様に逸らし、その理由を話してくれた。

もとは、おっさんの真似から、と言う事を―――…。





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