若いんだからしょうがない

優等生と虹
2ページ/4ページ



「お前何なの?」
「クラス委員だけど」
「違くてさぁ、ほら、何?なんて言うの?」

教室に残っていた最後の生徒達がクスクス笑いながら肩を叩いて帰って行った。バイバイなんて声をかけられたから無意識にバイバイと返していたが、その後すぐに俺も連れて行けよとその姿を目で追った。

「何?」
「あ?なにが?」
「何か言い掛けてたじゃないか」
「あー、何でもねぇし。つーかもう帰っていい?」

鞄を机の上に乗せると机の中から教科書を出し鞄に入れた。教科書なんて普段持って帰らないが、なんか帰り支度すれば解放されるかなあと脳が考えたらしく体は勝手に動いていた。

「進路表」
「うるせぇなぁ」
「出すまで帰せないんだけど」
「あーもう、うぜぇ」

流石に苛つき勢いよく立ち上がると椅子が後ろに倒れた。大きな音に廊下にいた生徒がこちらを向くが、注目されたのは一瞬だった。

「なんっなんだよお前、うるせぇよ。」

しつこいし迷惑だと付け加えるがその眼鏡は表情一つ変えなかった。

「期限を守るのが当たり前だろ?」
「ただの学生の進路表だし、そんな堅苦しく生きててお前楽しいの?」
「だらしない君よりはいいと思うよ」
「っ…てめぇの優等生評判の為に俺を巻き込んでんじゃねぇ」

思わず怒鳴ってやるとそいつは下を向いた。
泣かせたかと内心焦るが今更引けない。優等生泣かしたら先公に告げ口されるんだろうかと考えるだけで面倒くさいと頭を掻いた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ