アホリズム
□貴方だけに想われたくて
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「六道君…
きっと大丈夫よ…?」
「アイラの言うとおりよ。
アイツに限ってそんなことないわよ。」
ノアとアイラは懸命に黄葉を宥める。
しかし黄葉は不安を隠せない表情で、ノアとアイラもやはり、不安そうに笑っていた。
そう…
日向が帰ってこないのだ…
3日前…
「しばらく帰れない」
と黄葉に残し、姿を消した。
それ以来寮にも教室にも姿を現さなくなった。
黄葉は、3日前に日向の様子が変だったのを思い出す。
いつもより優しく抱いてくれたあの手…
悲しそうな微笑みから何かを気づけなかった自分…
黄葉を深い後悔の波が襲った。
出て行く前の
「ごめんな。」
と言うセリフに…黄葉は不安を感じ、涙を誘われた。
「日向君…
帰ってきてよ…」
黄葉は縋る思いでそう呟いた…
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