捧げ夢
□月に願いを…(カカ×ナル)
1ページ/3ページ
「…遅いなぁ……」
窓の外を眺めながら長い溜息を吐いて…
銀色に輝く月に待ち人の面影を重ねる。
「…カカシ先生…
早く…帰ってこないかな…」
『3日で片付けて帰ってくるカラ』
待っててちょーだい…と優しく抱きしめて、任務に出掛けたカカシ先生。
この3日、寝ても覚めてもカカシ先生の事ばっか考えて…
何も手につかない。
…オレってば、頭ん中カカシ先生だらけだってばよ…。
「任務…まだ終わんないのかな…」
もう約束の3日が過ぎちまうってのに…。
はぁ…とまた溜息が漏れる。
「カカシ先生…
オレ、もう待ってらんないってばよ!」
一分でも…一秒でも早く会いたくて…
思わず部屋を飛び出した。
「まいったな…」
『3日で片付けて帰ってくるカラ』
そう約束したのに…
間に合わないじゃないの。
はぁ…と溜息を吐いて、里へと続く深い森を駆ける。
帰りを約束する事なんて、今まで無かったのに…
どーしちゃったんだろうね、俺。
任務中も気付けばナルトの事ばかり考えて…
今も、早く会いたくて駆ける足に自然と力が入る。
きっとアイツの事だから、「先生、遅いってばよ」なんて言いながら待ってくれているんだろう…。
早く帰らなきゃな。
…ナルトの元へ…。
.