BL短編

□世界はこんなにも、
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緩やかなピアノの音、それはいつも決まった時間に聞こえてくる。
俺が背を預けている壁の向こう側から……――そこはローデリヒのピアノ室。

陽射しの一番心地好い場所がピアノ室の窓下だったと云うだけで、別に奴のピアノを聴きに来ている訳では断じて、…ない。
ただ時折奴の弾く優しい音色が昼寝に助力するので、案外気に入っていたりする。


(今日は作曲中、か?)

思い通りにいかないのだろう、時折音が止まってはガリガリと紙にペンを走らせる苛立った雑音が繰り返し聞こえてきた。


(「煮詰まった時は休憩」ってモンを知らないよな、コイツ)





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