「かいり、ちょっととむ起こしてきて」
ジュージュージュー、今日も香ばしくアルトバイエルンが焼けているらしい。
朝ごはんの支度をしながら、母さんが忙しそうに言った。
「えー、今『朝スビッ』観てんのに。なんか今朝のみのんもんた、やけに白いんだよね」
「その歳になってシミの怖さに気づいたのよ。ほら、バカ起こして来なさい」
分かりましたから、包丁持ったままこっち向くのやめて。
「………おはよ」
「あ、ゆひ兄おはよー」
バカ兄を起こしに2階に行こうとしたら、ゆひ兄と遭遇。
バカ兄起こして来――、前歯まで出かかった言葉を飲み込む。
ゆひ兄の寝起きの悪さは、おそらくこの町内1だろうな。
階段を駆け上がってとむ兄の部屋のドアを叩く。
返事が無いので中へ入り、ベッドの上にダイブした。
「ぐぅ…っ」
「ほら、起きろバカ兄」
「誰がバカ兄じゃ」
「アルトバイエルン全部食っちゃうよ」
「嫌だ」
重力を無視した寝癖が今日も元気についている頭を揺すりながら、とむ兄は起き上がった。
「…いい天気だなぁ」
「おらジジィ、早くしないとアルトバイエルン無くなるよ」
「ジジィ言うな」
「中学生から見たら高校生はジジィだよ」
「大学生は?」
「……神、かな」
何でゆひに気ぃ遣ってんだぁ!と言う怒鳴り声を背に受けて階段を駆け下りた。
「とむは?」
朝ごはんを作り終えたらしい母さんは、ゆひ兄の隣に腰掛けて朝のニュースを見ていた。
あれ、みのんもんたが太塚さんになってる。
「起きたよ」
ゆひ兄の向かいに腰掛ける。
「まだ来ないじゃない」
「勝負下着選んでる」
「…色気づいたわねぇ」
「…だぁれが勝負下着選んでるって?」
「あら、おはよう」
「はよざいます」
「とむ、下着は選べたのか?」
澄まし顔で新聞のコンボちゃんの漫画を読むゆひ兄が言う。
「今日はいちごがr――、言わすな。って言うかあとアルトバイエルン3本しかねぇじゃん!ゆひ食い過ぎだから!」
「うるせぇ」
弱肉強食じゃ、とか言いながらまたフォークを伸ばそうとしたゆひ兄と慌てて止めるとむ兄。
我が家の朝の光景である。
続く…?
初パロディでした。
読むのは好きだったのでいつかは、と思っていました。
い、いかがでしょうか…?
一言でも構いませんので、コメント頂けたら嬉しいです。