秋闌け、色葉散る

□秋闌け、色葉散る
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「あ、あのさ〜紘昌…」

後ろから呟いてきた由香里

「どうした?ここはお前の家じゃないか?降りなよ」

首を横に振る由香里
そして言葉を発する

「あ、あのさ〜。ちょっと話があるんだ…だから、ひ、紘昌の家に…連れて行って…」

「話だったらここでも…」

「駄目なの!紘昌の部屋で言わないと…」

顔をちょっぴり赤くして言った由香里はなんだか紅葉をした山のようであった

「わかったよ」

帰り道はもう暗くなってきていた。しかも肌寒い



紘昌の家についた
「ただいま」

「お帰りなさい」

玄関に紘昌の親が登場


「お邪魔…します」

由香里がいうと紘昌の母は由香里を見る

「おや?由香里ちゃんいらっしゃい。どうしたの?こんな夜に」

「紘昌君に用があって…いや、けしていやらしいことじゃありませんので…」

紘昌の母は上がりなさい。と言って台所へ

「由香里…俺の部屋に行こう。俺も…」

紘昌は止まる

「俺も?」

由香里が小鳥のように首を傾げた

それを見た紘昌は言う

「俺も言いたいことがずっとあった…」

2人に沈黙が流れる

その空気を破ったのが紘昌
「さあ、俺の部屋へ…」

2階の階段を登る
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