秋闌け、色葉散る
□秋闌け、色葉散る
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そこに1人の少女が登場
格好は紘昌と同じだが、スカートをはいていた。また、ネクタイはピンク
「やっと来たわね。遅いわよ!」
強気の口調で話すのが由香里
「わり〜。信号に引っかかってたから…んじゃ乗ってけ」
抵抗なく由香里は自転車の後ろに飛び乗る
「乗ったな!落ちるなよ」
「うるさいわね!アンタなんかに心配されたく無いわよ」
ペダルに力を入れる紘昌
こう見ると2人はカップルのようだが関係無い
そう、ただの
友達
だもの…
自転車はこの村で唯一、車がたくさん走る大通りを避け裏の小さな道を使う
そして川の横に出てきた
今日も川が流れていた。一枚のもみじが川に落ちる。それを川が一緒に流してゆく
「由香里。風が気持ちいいな」
道は軽い下り坂になっていて、足を離していても進んでいく
「そうね。紘昌…」
いつもは明るい性格の由香里だったが今日は違っていた
「…?由香里?」
顔を後ろに向けて振り返る紘昌
すると由香里は泣いていた
何故なのかは分からないが
そのままにしておこう。と思った紘昌はそのまま自転車を漕ぎ始めた
自転車はついに由香里の家にたどりついた