秋闌け、色葉散る
□秋闌け、色葉散る
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ここは『紅山原』(べにやまはら)
山にある小さな村である。
電車は単線で余り数もない
首都圏の人は、余り来ない村である
その駅前を自転車を乗る少年がいた。服装はブレザーに緑色ネクタイを絞めていた
名前は紘昌(ひろまさ) 高校2年生である
「くっそ!学校出るの遅かったか」
車が走る道路の横を走ってゆく
多分家に帰るのだろう
「やっぱ秋か…時間が経つの、早くなったな」
山を見る紘昌
山は赤く紅葉していた。赤い山は普段見ないので紘昌は気に入りの景色であった
駅前の交差点の信号に引っかかって止まる
「な!くっそ!早く青になれ!電車が来ちゃうのに」
左手の時計を見る
時間は5時28分
「だぁ!あと2分!また由香里に怒られるぞ」
由香里とは紘昌の幼馴染みの少女である
同じ学校に通っている。家だって近い
毎日向かいに行くのが習慣…
「信号が変わった!よし」
駅前の信号機が青に変わり自転車を漕ぎ始める紘昌
駅前の木のもみじは紅葉によって色が赤く変わっていた。しかし、あと一ヶ月で散ってしまうのか…
そう思う紘昌の前には電車が到着
自転車を乗ったまま足をついて入り口で待つ紘昌