千年血桜 -鬼-
□0月7日
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紅がトリップしてからもう1年が経った。
そんなある日、紅は土方達幹部と広間に集まっていた。
すると土方がポツリと呟いた。
土「この屯所もそろそろ手狭になってきたか。」
永「まぁ、確かに狭くなったなぁ。隊士の数も増えてきたし…。」
土方の呟きに永倉が腕を組ながらそう応えた。
『まだまだ隊士は増えるんじゃね???平助、江戸で今も新隊士の募集してるしさ。』
永「広い所に移れるならそれがいいんだけどな。雑魚寝してる連中、かなり辛そうだしな。」
毎晩すし詰め状態で雑魚寝している平隊士。
そろそろそれも限界だろう。
沖「だけど…僕達新選組を受け入れてくれる場所なんてあるんですか??」
軽い口調で沖田が尋ねると土方は薄く笑って返答した。
土「西本願寺。」
沖「あははは!!!」
土方の返答に沖田は楽しげに笑う。
沖「絶対嫌がられるじゃないですか!!」
沖田の反応紅も便乗して発言する。
『プッ。絶対嫌がられるよ(笑)!!でも、西本願寺だったら長州は隠れ家を1つ失うことになるし一石二鳥じゃん!!』
雪「あ。(本当だ…長州は1つ隠れ家を失うことに…。)」
紅の言葉で土方の策略に気付いた千鶴は小さく声を漏らす。
すると、眉間にシワを寄せる山南。
山「僧侶の動きを武力で押さえつけるなど見苦しいと思いませんか???」
山南の嗜(タシナ)める口調には、隠し切れない苛立ちがのぞいている。
対して、土方は宥(ナダ)める声音で言った。
土「寺と坊さんを隠れ蓑(ミノ)にして今まで好き勝手してきたのは長州だろ???」
土方と山南はその後も何か言い合っていた。
そんな時、近藤が会話に入ってきた。
近「トシの意見はもっともだが山南君の考えも一理あるなぁ。」
『近藤さん……あ。』
紅は近藤の声がしたので近藤の方を向いた。
そして、近藤の横に1人の男が立っているのに気付く。
『(確か…伊東甲子太郎。)』
そう…。近藤の横にいたのは、伊東甲子太郎参謀。新たに新選組に入隊した大幹部の人である。
近藤が江戸から伊東を含める新隊士を連れてきたのだ。
伊東は平助とも親交のある北辰一刀流剣術道場の先生でもある。
ともあれ。屯所の移転案に異を唱えた山南に伊東は満面の笑みを浮かべるのだった。
伊「山南さんは相変わらず大変に考えの深い方ですわねぇ。」
伊東は感じ入ったような口調で頷きながら言った。
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