千年血桜 -鬼-

□0月5日
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『んー、暑い…。』





雪「そうですね…。暑さの所為で、何もする気になれません。」





少し汗をかく千鶴を見て紅は思い付く。






『中庭行こ!!あそこは風が吹き抜けるし木陰もあるし(笑)!!!』





雪「あ、はい!!」











――…






雪「『風が無い!!?』」





せっかく来たというのに中庭には風一つ吹いていなかった。







『嘘だぁ…。もう終わった…。』






??「何が“終わった”んですか???」






『わ、敬助!!』




雪「山南さん!!」





掛けられた声に2人が振り返るといつの間にか山南が近くまで来ていた。






『つか、起きてても大丈夫!?』





山「私が寝たきりの病人か何かのような言い方はよして下さい。何の問題もありません。」






山南はいつも通り柔らかい声音で言うがその口調は少し刺々しい。



山「もっとも、左腕は寝たきりですがね。」




『………。』





雪「……。」






自虐的な微笑みを見て2人は目を伏せた。





山「君達…雪村君こそ、部屋を出ていていいんですか??屯所内を勝手に動き回られては困ります。」






『あぁ敬助違うんだ(汗)!!ウチが連れて来たんだ…ごめん。じゃぁ、部屋に帰る。』






紅はそう言い千鶴の手を引き山南に背を向ける。






『……敬助!!』





山「はい??」





紅は振り返り敬助に声を掛ける。





『暑いから体調には気を付けてな(笑)!!』




山「はい。ありがとうございます。」





山南は微笑みながら言った。





その山南の微笑みは愛想でも嫌味でもなく、本当の微笑みだった。






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