鴉天狗-カラステング-
□其ノ拾壱
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木目……
それは目を覚ました紅の目に1番最初に映ったモノ。
辺りには紅がいつも使っていた布団に机……その上に置いてある筆など紅が米沢城に帰って来た事を物語っていた。
『……あ、れ………ウチ、いつの間に米沢城に……???』
ムクリ、と上半身だけを起こした紅の頭は徐々に冴えて来る。
『………あぁ、そっか。怪我した後政宗達が運んでくれたんだぁ。』
まだ微妙に舌足らずな口調だが目は綺麗さっぱり覚めていた。
紅がそう自問自答をした後すぐに足音が聞こえて来て、スーッ、と障子が開いた。
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