剣と仕事と未来と
□足癖
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〜入隊試験終了後〜
リオバルトが錬金鋼の片付けを手伝っていると、ハーレイがふと尋ねた。
「リオバルトは格闘と剣、どっちを主流にしてるの?」
「はい?」
「リオバルトは格闘技と剣技を両方使えるでしょ? 専用の錬金鋼を作るときに、参考にしようと思ってさ
」
あぁ、なるほどと思った。確かに、小隊に入るならば、専用の錬金鋼を作らなければならない。(しかし、この時、自分にはまだ小隊に入る許可が下りていないのも事実であったのだが、どうしてこの段階で気づかなかったのだろうかbyリオバルト)
「参考にするのは構いませんが、格闘はだめです」
「えっ…またどうして?」
ハーレイの疑問に、は言いにくそうに答えた。
「…が…わ、悪いんです…」
「えっ?」
「あ、足癖が悪いんです」
「足癖って…具体的に…どんな?」
本人が言うのだから、相当なものなのだろうと思ったのか、ハーレイはおそるおそる聞いた。
「例えば…カッとなって、手が出る人がいますね? 大体はそんな感じです。後は…あんまり思い出せない」
(思い出せない足癖の悪さって一体…?)
ハーレイの中に、大きな疑問の塊が残った。