短編

□変わらないモノ
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布団に潜っていても、自然と朝日が射し込む。


その後すぐに聞き慣れた声が響き渡る。


「銀さーん、朝ですよ。起きて下さい」


「…うるせェな、二日酔いなんだよ」


新八はブツブツ文句言いながら出てった。


…どうせ誰も覚えちゃいねーよ


それに…久し振りに夢を見た。


しかもアイツらの―



       *



「…あっやっと起きたんですか、銀さん。もうお昼ですよ」


「ちょっと出掛けてくるわ」


新八が呼ぶが、んなの関係ねぇ


よりによって大事な日を忘れる奴なんか知るかよ


そしていつものようにブラブラと歩く。


すると、前方に見覚えのある顔がいた。


…いや知らねぇわ


見なかった事にして横を通り過ぎた。


「…あれっ?」


いつもだったら無駄に絡んでくる筈のヅラは俺に気付いていないかのように去って行った。


「…まっいいんじゃねーの?いつもうざかったし、やっと落ち着いて…」


いい筈なのにイラついている自分がいる事に気付いた。


「チッ、誕生日だってーのに厄日だな…」


今あった事は忘れて歩き出す。


少し行ったとこで、また見覚えのある顔がいた。


しかもセットで…


「なぁ、頼む!刀を新調したいんだよ!」


「駄目だ。こないだ新調してたろーが」


「ふざけんじゃねーぞ!!俺はな、拘るタイプなんだよ!」


「飽き易いだけだろ」


「………」


何でよりによって高杉と龍二にまで会うんだよ


何、この偶然!?


取り敢えず関わりたくないから通り過ぎた。


途中で目に入った公園のベンチに腰掛ける。


「はぁ…。何で誕生日に限ってアイツらと会わなきゃなんねーんだよ…」


今朝も、夢にも出てきたから流石に気持ち悪ィな…


…ん?そういや…


「いつも会ってた奴にまだ会ってねぇな…」


いつもだったら嫌でも遭遇するのに、まだ会っていない…


色々と疲れてきたからベンチに寄りかかって空を見た。


「…あァ、やけに静かに感じるわ」


いつもと違う事の連続でぼーっとしてきた


…ん?空から何か…


ドシャァァァ!!


「どぅわァァァ!!?」


デカイ物体が落ちっ…落ちてきたァァ!



 
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