短編
□妄想(ユメ)の中で…
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「おはよう、ミツバ」
部屋の窓から、愛しい僕の彼女を見つめながら挨拶をする。
ミツバは恥ずかしがり屋だから、あまり此方を見ない。
たまに、僕の方を見て目が合うけど、やっぱり恥ずかしがって部屋の奥へと行ってしまう。
でも、そんなミツバが可愛くて仕方ない。
手元にある、ミツバの写真を手に取り見つめる。
「そうだ、今日はデートの日だったね。今から行くよ、ミツバ…」
そして、いつも以上にオシャレをして付き合って2年目のプレゼントをポケットに忍ばせ、家を出た。
「楽しみだなー、いつもは僕の家でデートしてたけど、今日は外を二人で歩くんだ…」
嬉しくて、嬉しくて嬉しくて、自然と笑みが溢れた。
すれ違った人が、僕の顔を見つめてきた。
ちょっと、気合い入れすぎたのかもしれない。
でも、僕にはミツバが待ってる。
悪いけど、僕はミツバしか見えない。
早く会いたくなって、早歩きで向かった。
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