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「あ、さっきので氷最後だったみたい…」
しばらくすると、かき氷機は押せども空しい音を上げるばかりになった。
ふと二人して我に返ると、学ランは脱ぎ捨てたものの、ワイシャツはぐっしょりと濡れ、勿論床も周りも同様だった。
「…やってしまったな」
呟くルルーシュに視線を上げて、スザクは固まった。
それからルルーシュはふっと力の抜けた笑みを漏らした。
「…おかしなものだな。まるで子供に戻ったみたいに…」
呆れたように言ったが、しかしそれは喜びを秘めていた。
「…そうだね」
スザクは心ここに在らずといった風に応える。
…ルルーシュ、ワイシャツ透けてる。
「しかし、よくこんな遊びを思いついたな」
「えへへ、ルルーシュと居たら、ちょっと子供に戻っちゃったみたい。…ところでルルーシュ、透…濡れてるけど」
もはや、スザクの視線はルルーシュのシャツに釘付けである。
しかしそんな事にも気付かず、スザクも自分と同じ想いで童心に返っていた事を知り、ルルーシュは内心喜びに満ちる。
「あぁ。でも濡れてるのはお前もだし、…周りも片付けなくてはな」
「…ルルーシュ、透…濡れたままだと冷えて風邪ひいちゃうから、あっためようか」
「は…?」
訝しむ間も無く、ルルーシュは机に押し倒される。
「お前…っ、何考えてるっ!?」
「だから今度は冷えた身体を温めなきゃ。子供の遊びの次は、…大人の遊びだよ?」
「は……」
スザクに真正面から見据えられて、ルルーシュは再び顔を染める。
子供の頃より幾分か大人びたスザクの顔に心拍数が上がる。
「…なっ、何でいきなりそんな事になったんだ…っ」
「だって…、透けてるんだもん」
そう言ってスザクがシャツの上から指を掠めた胸の先端は、確かにじわりと透けていた。
「……っ」
ルルーシュは首を仰け反らせた。
「…ルルーシュ、エロい」
「エロはお前だっ、馬鹿がっ!」
ルルーシュはスザクの頭を殴る。
合いの手の様に、いたた、とは言うものの、大して痛くもなさそうにスザクは紅く滲む、少し硬くなったそれに舌を這わせる。
「…わっ、バカっ、何でシャツの上からなんだ…っ」
濡れた布越しの感触に、ルルーシュは堪らなく感じる。
「気持ちよく、ない?」
「んっ、くぅ…っ、うるさ…っ。ていうかバカっ、会長達がっ、帰ってくる…っ」
「大丈夫だよ。きっとそんなに早く戻ってこないって。来る前に終わっちゃうよ」
「このバカが…っ。ふ…ぁっ、何でお前はそんなに楽天的なんだ…っ」
その言葉とは裏腹に、息を荒げてルルーシュの身体は更なる刺激を求める。
「それにもう止められないだろ。僕も、…君も、スイッチ入っちゃったから」
「……この…バカ…っ」
片方は爪で極軽く擦られ、もう片方は柔らかい舌でねっとりと舐め上げられる。
「…んんぅっ…スザクっ、……むずむず、する…から…っ……」
「…それは、直接触って欲しいって事?」
「………」
ルルーシュは顔を赤くして俯いた。
「…君は本当に可愛いな」
スザクはシャツのボタンをはだけると今度は直接舌を絡め、指の腹で摘んだ。
「ふあぁ…っ、スザクっ、舌が…熱…い…っ」
「ルルーシュのここは冷たいよ。温めなきゃね」
「んんっ…ぁっ…ひあ…っ」
胸への愛撫は続けたまま、スザクの片手が器用にルルーシュのジッパーを寛げた。
「あッ…!?や…っ一緒は…っだ、めだ…っ」
下も同時に刺激し始めたスザクにルルーシュはふるふると首を振る。
「何で駄目なの?」
「………っやだ…っ」
「何で?気持ち良過ぎるから?」
「……っ、ゃ…うるさいっ…バカ…っ」
ルルーシュはとろけた涙目で精一杯それだけ言うと、顔を逸らした。
スザクの手の中でルルーシュはピクンと何度も限界を告げている。
「…あぁ、もうイきそうだからか」