ショートショート
□プレゼントSS
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《朔様、誕生日プレゼント》
『一幕』
「先生?」
何故か、顧問とふたりっきりになってしまい、どぎまきする私。
ここは、演劇部が部室として使っている地学室。
先輩たちは、修学旅行中で、一年生は買い出しに出かけてしまった。
なんで、よりによって、顧問とふたりっきり?
会話が成り立たなくて困る。
「朔、やっぱりコーデリアは無理か?」
次の芝居の配役の話だ。先生、私を買いかぶり過ぎだよ。
「先生は、合うと思うんだけどな」
「私には荷が重いです。むしろ、意地悪な姉を演りたいです」
「お前、変わってるな」
「先生、校内禁煙ですよ?」
煙草を口に咥えた先生を牽制する。
「あ。すまん」
慌てて煙草をしまう姿は、何故か少年みたいで。
どちらからともなく、笑いあって。
「ただいま〜」
一年生が帰ってきて、それ以上の話は出来なかったけど。
先生の本性(?)が垣間見られて、ちょっと楽しかった。
おしまい。
※謹んで朔様へ捧げます。お誕生日おめでとうございました!