幼馴染みのすゝめ
□prologue
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『……――――』
こえが、する。
『……――ロー』
ああこれは、夢だ。
夢に違いない。
彼女がここに、いるはずがない。
『――……好きだよ、ロー』
どうして。どうしてそんなふうに微笑むのか。
どうしてそんなに、愛おしそうに。
(――夢、だからか……)
彼女は自分を、恨んでいるはずだ。
彼女の手がゆっくりと伸びた。ローの頬に触れ、そっと輪郭をなぞる。
『ロー』
――嗚呼。
重なる唇を感じながら、ローはうっすらと笑った。
全力で惜しめ