novel(バサラ)
□優しさ
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「HEY!小十郎、久し振りに城下に行きてーんだが」
「しかし・・執務が残っておられます。」
「HA!帰ったらすりゃあいいだろ」
今日はとてもよく晴れた日。
透きとおる青と汚れを知らない白が上空で混ざる
まるで戦国時代とは思えないほどの天気だった。
所変わり、城下に降りた政宗は小十郎と散策をしていた。
「HA!今日も平和だな!」
「政宗様がおられますから、民も安心でしょう」
「thank you、小十郎」
散策を楽しんでいると、目の前に一人の少女が道端に倒れこんでいた。
年齢は政宗とそんなに変わらないだろう。
「おい、お前!大丈夫か!?」
「・・政宗様この娘、頬が・・」
小十郎に言われて、娘の頬を見る。
「AH-HA?・・何となく事情はわかった。」
白い肌には、醜く映った青い痣。
頬は赤黒くあとの残る病の後遺症。
「小十郎、こいつを米沢城へ連れて行け」
「政宗様・・」
「こいつは、俺に似てるところがあるのかもしれねー」
政宗の腕の中で眠る少女の目には泣いた後、涙の筋が見える
「俺がいるからには安心しろ、ぜってー守ってやる。」
政宗は一人決心したように眠っている少女につぶやいた。