宝物

□屋上での出来事
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卒業式当日。式に出るわけでも教室で騒ぐわけでも、ましてや友人たちと泣くわけでもなく、私は屋上でたそがれていた。もっとも、たそがれていた、なんてカッコいい表現は私には似合わない、そうだな、やっぱり素直にサボっていると言っておこう。だって私の通っているのは立海大附属。だから、よっぽど成績悪くない限りそのまま立海に進むから皆また同じ学校なのだ。なのにどうして卒業式でしんみりしなきゃいけないんだ。めんどくさい。



「俺らってさー」
『うん?』
「最後までずっとこうだったな」
『そうだね』
「仁王も何か言えよぃ」
「…プリッ」



丸井がふと呟く
私が答える
丸井が仁王に話しかける
仁王が答える

三人で、空を眺める。



「赤也も呼ぶかの」
『そ、そうだね//』
「メール送ったぜ」
『…うん///』
「顔真っ赤じゃよ」
「ほんと赤也好きだよな」
『う、うるさいっ//』



バァン!!



「せんぱーいっ」
「早いな」
『…うん///』
「1分だぜぃ」
「最高記録更新だっちゃ」



仁王が思いつく
私が照れながら賛成する
丸井が携帯を操作する
赤也が現れる

四人で、空を眺める。



「先輩たち、卒業式出ないんすか?」
「今更だろぃ」
「まぁの」
『…それにさ』
「?」



カシャンと音を立てフェンスに寄りかかる



『3人と一緒にいたい、な』



私がそう言えば丸井と仁王が微笑んだ。なのに、赤也はひとり浮かない顔をした。…なんで?私何か変なこと言ったっけ、いや言ってないはず。てことはあれかな、赤也、もしかして私といたくない? 自問自答を繰り返していると、赤也が歩み寄ってきてずいっと顔を近付けてきた。



『あか…や?』
「先輩、嘘ついた」



赤也はそう言うと目を閉じた
次の瞬間、唇に柔らかな感触
キスされた、分かった時には
赤也の意地悪な笑顔が見えた



「3人といたいんじゃなくて」



赤也は私の耳元で囁く、






俺といたいんでしょ?






そして、もう一言私に囁くと少し離れてニカッと笑った。丸井と仁王のニヤニヤした顔が赤也のバックに見える。


…あぁ、いま私絶対顔赤い、






屋上での出来事

( 先輩が好きだから分かっちゃうんスよ、それに俺も一緒にいたいし? )



20100519
佐倉媛香
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媛香、ありあとございました◎
後、飾るの遅くなってごめんなさいm(_ _)m

赤也きゅン←




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