little story

□水煙 -スプレー-
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穏やかな海。
青空に輝く太陽が海や砂浜に光りを注ぐ。

海の底には、神殿があるという。

興味を持った陸に住む男性が、海に潜り珊瑚の扉を開き、
その神殿へとたどり着きました。

海底にある神秘的な城。
海面からそう遠くないその場所は、太陽の光りが届くほど。

大きな城には、王(海神)は勿論のこと、多くの住人たちも一緒に生活をしていました。

そこで出逢った一人の女性、
エメラルドグリーンの腰まである長いウェーブの髪。

その女性に、お城を案内してもらいました。
海の外にはいったことがないというその女性に、陸の話をしました。

かわりに女性からは、貝でよく遊んだりすると聞き、
二人できれいな貝を集め、首飾りを作りました。
お互いの事を話しながら、ひとつひとつ、貝を糸にとおしていく。



ある日、
お互いの気持ちを知った、女性の父、海神が、二人を引き離しました。
男性は陸へ帰り、二度と戻っては来ませんでした。

女性は、その男性に逢おうと、神殿を出ようとします。
しかし、海神とその神殿に住む住人たちが、女性の前に立ちはだかります。

海面の向こうにいけば、あの男性に逢える。

住人、海神を押し退け、やっとの思いで海面に辿りつきました。
長い間、浜辺を見つめ、男性を待ちましたが、誰ひとりとやってきません。

あの時、二人で作った首飾りの貝は、時がたち過ぎて、もう形を留めていませんでした。
それでも女性は、二度と来ることのない男性を想い、待ち続けているのでした。


END


東方求聞史紀
原曲「阿礼の子供」

DANA BLUE
アレンジ「spray」

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