little story

□片思い -ワンサイドエル-
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私が彼のことを好きだと気付いた時は、
もう会える時間が極端に減ってしまったあとだった。

どうして早くに気付けなかったのだろう。
どうして断ってしまっていたのだろう。
どうして自分を認めなかったのだろう。

また会うためには会いたいと連絡するしかない。

緊張してメールを打つ手が震える。
返信を待つけど、なかなか返ってこない。

迷惑だったかな…。
悩ませちゃってるのかな。

どうして返ってこないの?

でも実際はまだ一日も経っていなくて…。



ついに返信メールがきて、会ってくれると約束してくれた。





二人きり。隣を並んで歩ける日が来るなんて。

ずっとこうしてそばにいられるのかな。

緊張して何を話せばいいかと悩んでしまう。
いつも通りに出来ない。


「ボクといても…退屈?会話が途切れると、つまらなそうな顔するね」

違う…何を話せばいいか、考えててって、

それすらも言えなくて…。


二人で過ごす時間は、あっといまに終わってしまった。

会ってくれたことは嬉しい。

でも

上手く話すことが出来なくて。


気のない態度をとってしまって、好きが届かない。


「好き」と伝えることが出来ない。


それでも、こうして二人で会ってくれるなら、それでいい。

友達としてでも、二人で過ごせる時間を約束してくれるのなら、このままでもいい。


あなたに好きな人が出来る時までは、こうして私と会ってくれる?

それなら、このまま友達でいいよ。






…なんて、そんなの嘘。

だって、あなたがすごく好き。

好きな人が出来たって言われたら、
「よかったね」なんていえないよ。




こうして二人で会う誘いを「ごめん」と断られてしまう日がいつか来る。

それまで、

あと何回、

あなたに会える?

もっと会える時間があった時に戻ってやり直せたら

あなたは私こと

好きになってくれたのかな。





END


風神録
原曲「信仰は儚き人間の為に」

DANA BLUE
アレンジ「one side L」

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