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□お祭り
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ちょっと前のことだけど

俺、セネルを七夕のお祭りに誘ってみたんだ、駄目元で。

セネルはいつも仕事がたくさんあって忙しそうだし、みんなから好かれてるからいつもひっぱりだこだし。本人は気にしてないみたいだけど。



そんなもんだから緊張したけど、あっさりOKしてくれたんだ!









「はい!焼きリンゴ二つお待ちどうさん!」


「ありがとうおじさん!

わあ〜〜。俺、焼きリンゴって初めてだよ!」




赤色に輝く、普通のりんごよりは少し小ぶり焼きリンゴ。

甘い蜜が余すことなくかかっていて今にもこぼれ落ちそうだ。








「!!!

なかなかうまいな……」





どうやらセネルは気に入ってくれたみたい。


そういえば甘党だってこないだ言ってたっけ。


でも、なんだか……









「セネルの食べ方やらしいね。」


「ぶっΣ!!!

そっ、そんなことないだろ!///」




必死で否定してるセネル…なんだかかわいいなあ。

顔もりんごみたいに紅くなってる。





「あははっ!冗談だよ。


あっ!見て見てセネル、あれ!」






薄暗い夜空に映える星の数々。

その真ん中で淡く光り輝いている天の川。










「綺麗………だな。

織り姫と彦星は無事に出会えたのかな。」






そう言って天の川を見上げるセネルはなんだか儚く見えた。





「なあ、カイル。



もし、お前が織り姫と彦星にみたいに、大切な人と一年に一回しか会えないんだとしたら……カイルは待つか?」





意味深な質問を聞かれたから、ちょっとドキッとしたけど、答えはひとつだった。






「俺は待つよ。



大切な人が俺を想って待ってくれてるって考えただけでうれしいよね!

それに!……そのっ………セネルが待っててくれるんだったら………俺、ずっと待ってるよ!」



「カイル……ありがとう。」





そういったら


さっきまでのセネルの曇った表情がなくなってて、笑顔になってた。

なんかこそばゆいけど、これでいいよね!









こうして、この日は二人で思いっきり祭を楽しんだ。








後に織り姫と彦星みたいに付き合うことになるけど、それはまた別のお話。


















*








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