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□きみがくれたもの
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ある春の日の昼下がり。




お菓子や飲み物を買ってきて、公園のベンチに座って二人でのんびり過ごしていた。



温かな日差しと心地好い風のおかげでうっかりまどろんでしまいそうになる。





そんな時に僕の可愛い恋人、カイルは僕の右手に指を絡ませてきて満面の笑みでこっちを見ている。






「ねえ、ジューダス。」

「どうした?カイル。」

「ジューダスジューダスジューダス……」




僕の返事を無視してニコニコしながら僕の名前を言うことを繰り返す。




「何なんだ一体……」



そう、無意味に何回も名前を言われると少し照れる。



すると、やっとカイルが返事を返してくれた。






「なんかね、すっごくうれしいんだ!俺が考えた名前をずっと使ってくれてるってことがさ。それも、俺の一番大切な人が……さ……///」




何を言い出すのかと思えば言ってる途中で照れてしまったようだ。



「お前は……突拍子もないことを言う。」

「だって!本当のことなんだから仕方ないだろ、ん!……」




何かぎゃーぎゃー言っていたので強引に口を塞いでやった。
ついさっき、チョコレートを食べたばかりだったからすごく甘い味がした。




「んあ……んう……」


キスから解放してやると、カイルは顔を赤くして硬直してしまった。




「確かに、お前がつけてくれたこの名前は……気に入っている。」




君が名前をくれたあの日から
全てが始まった。





リオンでもエミリオでもない。


ジューダスとしての世界が。




「礼を言う。」




大好きな君へ。






「もう、ジューダス……ずるいよ。」





君のことがかっこよすぎて好きすぎて





前も見えない。








*
 

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