Νovel

□魔王の小瓶
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テイトクラインは陸軍士官学校を首席で卒業しあのアヤナミ参謀長官付きベグライターになった


テイトクラインはまだ若く陸軍士官学校を出て幹部補佐という立場は非常に喜ばしい事でありテイト自身もあのアヤナミ様のベグライターになれて良かった。と入った当初は思っていた




だが。その思いは一変する…




魔王の小瓶
《二児の母》



「ヒュウガ少佐それは何ですか?」


見てみて〜!とでも言いたげな瞳でテイトを見つめるヒュウガ


彼のベグライターコナツはまた馬鹿やり始めたよーとでもいうかの様に無視をして作業する



「見てみてテイトちゃーん!」



じゃじゃんと言って取り出したのは小さな小瓶


「……それ…なんですか?」



「これねーなんだか知らないけど机に入ってたんだよねー」


可愛らしい小瓶には亜麻色の液体が詰められいる


「誰が入れたんでしょうね?」



「でも色合いから見てさハチミツっぽくない?これからカツラギ大佐がホットケーキ作ってくれるって話してたし」


今日のおやつは楽しみだとヒュウガは話していると痺れを切らした彼のベグライターコナツが怒る


「…ヒュウガ少佐…仕事もしないでおやつ食べれると思ってるんですか?」


「ええ?!駄目なの…?!」


「当たり前です!この忙しい時に何遊んでるんですか!テイトさんだって忙しいのにヒュウガ少佐に付き合って話を聞いてるんです!早くこの書類にサインして下さい!」


ガシッとコナツはヒュウガを掴み机に向かわせた


流石コナツさん。とテイトは思う。普段ヒュウガは仕事を良くサボる。本人いわく禁断症状が出るから無理…らしい


やっとヒュウガから解放されたテイトはアヤナミに見てもらう書類を作成に取り掛かる




数分後……



書類作成が終わり印刷を出してアヤナミの執務室へ向かう


「アヤナミ様失礼致します。書類をお持ち致しました」


部屋をノックし入れ。と声がしたのでテイトは中に入ると

また仕事をサボっていたヒュウガとヒュウガとは対象的に書類に目を通して仕事をしているアヤナミがいる


「…こちらに目をお通し下さい…」


アヤナミの左に立ちテイトは書類を渡す
「…あとカツラギ大佐がおやつをお作りになりました…今からお持ちします」


「ああ」


アヤナミは手短に頷きそれを聞いたヒュウガが本当!?手伝うよ!と言いテイトについて来る


「ヒュウガ少佐…コナツさんにまた怒られますよ?」


「まぁまぁこのおやつ食べた後しっかりやるよー」


アハっと答えたヒュウガにぬっと暗い表情で現れたコナツが怨みがましく


「絶対ですからね…ヒュウガ少佐」


毎度毎度疲れた表情のコナツにテイトはヒュウガ少佐のベグライターって大変だな、と思った



「あ丁度良かった」


トレイに紅茶とホットケーキに蜜シロップを乗せカツラギが現れた



「カツラギ大佐今丁度行く所だったんです」


「…そうですか…ではテイトさんこれをアヤナミ様に。ただ人数分足りないようなのでまた作りに行きます」


テイトはカツラギからトレイを受け取り再びアヤナミの執務室へ向かう


少し歩いた所でハッとヒュウガは思い出す


「あ!テイトちゃん僕が持って行くからテイトちゃんはカツラギ大佐から自分の分持ってきなよ〜」


トレイにあるのはホットケーキ3つ分。アヤナミ、ヒュウガ、コナツ分。テイトちゃん分無いからカツラギ大佐から受け取って来て。あとクロユリ中佐やハルセも食べるだろうからと半ば無理矢理トレイを持って行くヒュウガにテイトは「あはい」と素直に頷きヒュウガにホットケーキは任せた



後にテイトは思う。何故それをヒュウガに渡してしまったんだろうと…




テイトは厨房に居るカツラギから自分の分やクロユリ、ハルセの分などを受け取り数分後再びアヤナミの執務室へ向かい


扉を開けるとテイトは絶句した………


「…ヒュウガ少佐…これは…一体…?」


目の前には小さな5歳児ぐらいの子供が二人。しかも見覚えがある顔立ちで一人は白髪の髪をしていて軍帽を被っている

もう一人は金色の髪で軍帽を被っている少年より少し小さい身体



しかもどうしてか分からないがアヤナミもコナツも小さくなったのに対して軍服も小さくなっている



「あはは……」



ヒュウガも渇いた笑い声しか出ない



「…もしかして…もしかしなくとも…アヤナミ様にコナツさんじゃー…何したんですか!ヒュウガ少佐っ」

テイトは叫ぶ。まさか自分の上司であるアヤナミが子供になっているのだから


しかも小さくなった二人にかわいいとか思ってしまったテイトは口には出さなかった(アヤナミがかなりの殺気を出しているから)


「…テイトちゃん…怒らないで聞いてね…ほらさっきのさー小瓶ハチミツっぽいからコナツとアヤたんのにかけたら…こうなっちゃった」



あの小瓶は恐ろしい。とかヒュウガが言うがテイトにはヒュウガが恐ろしく感じる


「何してるんですかぁぁぁ!」


テイトが叫ぶのと同時に小さくなったアヤナミは愛用の鞭を取り出しヒュウガを縛り蹴り飛ばす



「……お仕置きが必要か?…ヒュウガ」


見事な鞭捌きにアヤナミはヒュウガを地に平伏せ頭を踏む


「アヤたん…小さくなっても変わらない…のね」



「本当にどうしましょうか…アヤナミ様」


コナツとアヤナミはテイトを見上げる


「テイト。…お前は私のベグライターだな…」


「…そ…そうですね…」


「私は小さくなった…」


「は…はぁ」


アヤナミの口調がいつもより物静かだから怖く感じる


「この事が軍上層部に知れ渡ったり軍以外の者に知れたらどうなる?」


「…ヤバイ…ですね」


タラリと嫌な汗が流れる


「…という訳だから。ヒュウガとテイト…私達が戻るまでキッチリ世話をしてもらおう」


分かったな。ギロリと怖い表情でヒュウガとテイトを見るアヤナミにテイトは恐怖を覚えた


こうしてヒュウガにテイトはアヤナミとコナツの世話をする事になったのだった
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