short Νovel

□身長差
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身長差


「………」


その日テイトはとある木に刻まれた傷跡を見つめていた


その傷跡はテイトが一昨年からこの木に月1程来て背中を合わせては身長を図っていたのだが


つい2ヶ月前程からピタリと傷跡が伸びる事が無くなった



「まさか…成長が終わってしまった…とか?」


あんまり考えたくない事だ。テイトの年頃でいえば今が成長期。


身長が伸び無くなったというのはテイトにとって絶望を感じる程で…


「いやいや…ま…まだ諦めちゃいけないよな!そうだ乳製品と小魚食べよう」



何とか気にしないように考えていた時だった



「何してんだクソがき」


ふぁぁっと欠伸をしながらやってくる相棒のフラウ


テイトと比べれば遥かに長身のフラウ


身長に対して余計にプライドが刺激される相手だ


「別になんでもない!」


「…ぷっ」


プイッと明後日の方向を向けば小さく笑う声がする


「また身長の事か〜?」


「うるさいっ」


ゲシリっとテイトはフラウの足を踏みつけ図星だった為にテイトは顔を赤らめて逃げる様に去って行く



「たくっ…あいつは今のままが抱き心地も丁度良いのにな…」


今の身長差一番良いのだ…


そうフラウは思ったのだった

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