拍手ありがとうございます!
「…………三蔵」
「何だ」
「引っ付くのやめてくれる?」
今日の夕飯を作るため台所に立っていたら、いきなり三蔵が後ろから引っ付いて来た。
「じゃまだって。料理作れないじゃん」
「……今日の飯は何だ」
「悟空みたいなコト言わないでよ」
「………飯…」
「…はぁ…カレーだよカレー。」
半ば呆れながら答える私。
…同棲を始めてから早三ヶ月。
三蔵はたまぁ〜〜にこうやって甘えてくる時がある。
貴重、なんだけど。
「だからじゃ・ま!」
そう、じゃま。はっきり言って邪魔。
私はベリっと三蔵を自分から引き離す。
「……………………………邪魔か……。」
…あ、拗ねちゃった。
だって料理中だよ?
私は八戒みたいに料理上手くないからいつも真剣勝負なんだよ?
甘えるならもっと違う時にしてよね。
「…………おい」
「何?」
「まだ出来んのか」
「…そんなお腹空いてんの?」
「………そうじゃねぇよ」
「じゃあ何」
私は料理に真剣。だから三蔵を見ないでそのまま話す。
「……料理ごときにお前を取られて堪るか」
「Σ……!?」
"ボトッ"と私の手からじゃがいもが落ちる音。
あーあ。もう食べらんない。(いや、洗えば大丈夫か…)
てかそんな事より………
「…………………………料理にヤキモチですか」
「…悪いか」
「この甘えんぼめ…」
「………………………………悪いか」
「…もういーよ」
私は料理を放り出して三蔵の胸へと身を収める。
途端に背中に回る、貴方の温かい腕。
「…満足?」
「…あぁ」
料理再開は30分後…………。
Fin.