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□告白
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「ねぇーさんぞー」


「……なんだ」


「いやー別に何もないんだケドさぁ」


「死ね」


「いや、あるっちゃあるんだケドね」


「………テメェ」


「三蔵はさ、今恋してる?」


「あ?」


「だからさー、恋してる?」


「ンな面倒なもん死んでも御免だ」


「別に同性でも良いんだよ?」


「……テメェはそんなに死にたいか」


「あたしはしてるよ?」


「何をだ」


「だから恋」


「…女にか」


「なぜそーなる」


「今俺にお前が言ったんだろーが」


「男。ちゃんと男。」


「……そうか」


「知りたい?」


「別に」


「じゃあ気になる?」


「…同じ事じゃねぇか」


「しょうがないなー。じゃ、ヒントね」


「テメェの思考回路はどうなってやがる」


「まぁいいじゃん、行くよーヒントいちー。」


「…ハァ」


「ジープに乗って旅してる仲間の誰かでーす」


「いきなり絞られたな」


「まどろっこしいのは嫌いなモンで」


「十分まどろっこしいがな」


「さぁ、誰?」


「俺が知るか」


「じゃあヒントにー」


「…まだやんのか」


「その人は成人してまーす」


「猿が消えたな」


「永遠の未成年だよね、悟空」


「違いねぇ」


「ほらほら、誰?」


「……チッ…八戒か?」


「ぶー。はずれー」


「………………。」


「そんな怒んないの」


「……じゃあ、もう河童だな」


「………。」


「………。」


「………。」


「……何か言え」


「…だったらどうする?」


「あ?」


「あたしが、悟浄の事好きだったらどうする?」


「…別にどうもしねーよ」


「そっ、か…」


「あぁ」


「………。」


「………。」


「………………馬鹿」


「あ"ぁ"?」


「ばーか、はーげ、なまぐさー」


「いい度胸じゃねぇか…」


「きちくー、まるぼろー、おぼーさーん」


「意味わからん」


「まよらー、きんぱつー、さいこーそー」


「…何が言いたい」


「あたしの、好きな人の特徴」


「………。」


「特徴」


「二回言うな」


「分かった?あたしの好きな人」


「……分からんな」


「おっかしいなー、こんなに特徴表してんのに」


「このヤロー…」


「分かってんじゃん、誰か」


「………チッ」


「………。」


「…何ニヤけてやがる」


「いや、どぉ返事してくれんのかなーと思って」


「…俺も、まどろっこしいのは好かねぇな」


「まじですか」


「激マジだ」


「………。」


「はっきり言え」


「…えー…」


「言え」


「すき…」


「………。」


「…焼き食べたくない?久しぶりに」


「ベタな真似してんじゃねぇよ」


「…………好き……デス」


「誰を」


「うっわムカつく」


「いいから早く言え」


「〜〜っさんぞー様を!!」


「………ククッ」


「『…何ニヤけてやがる』」


「似てねぇぞ」


「あ、やっぱり?」


「……それで?」


「……へ?」


「お前は俺にどうして欲しいんだ?」


「…………別になーんもっ」


「あ?」


「気持ち、伝わったならそれでいい。後は全力で墜とすのみ」


「ほぉー…」


「とか言って、ほんとはもう墜ちてたりしてVV」


「…かもしれねぇな」


「は?」


「あ?」


「今の、ほんと…?」


「………。」


「ほんと?」


「さぁな」


「…………。」


「だからニヤけんじゃねぇ…」





Fin.

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