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□ドキドキの正体は…?
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「さっんぞー!!」

「…お前、マジで着たのか」

だってせっかくの花火大会だし?浴衣は必須でしょ!?

「ねっ!似合う似合う?」

「…フン、馬子にも衣装だな」

「褒め言葉として受け取っておきまーす」

「……。」

あ、三蔵が呆れたような目をしてる。

でも今日はそんなこと関係ないっ!

何てったって花火大会なんだから!!

「……歩いて来たのか」

「そりゃそーでしょ?浴衣着て自転車なんて乗れないし」

「どうやって目的地に行くつもりだ」

「へ?」

…そっか。この辺じゃ花火なんてちっさくしか見えないじゃん。

「じゃあ電車で!」

「人多いに決まってんだろ」

俺は満員電車なんざごめんだ。と言ってのける三蔵。

「じゃあどうするって言うのよ〜!」

私は絶っ対花火見たいし!!

「………はぁ…」

三蔵が盛大に溜息をつき、自分の自転車に手を掛ける。

「……乗れ」

「え?」

「だから乗れっつってんだ」

「重いよ?私」

「……じゃあ置いて行くか…」

自転車をこぎ始めようとする三蔵。

「Σあ〜っ!お願いしますっ!置いてかないで三蔵様っ!」

「……フン、落ちるんじゃねぇぞ」

「大丈夫!!ちゃ〜んと掴まってますからvV」

「……はぁ」

なんておどけたように言ってみたけど…

数年前とは違う背中の広さに内心ドキドキだったりして…。


ドキドキの正体は…?

(この心臓の音が聞こえませんように)

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