恋姫小説
□真・恋姫†無双〜蘇芳列伝〜 第参話 其の壱
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音々音「む………」
トコトコ
音々音「むむ………」
ソワソワ
音々音は今日泊まる宿屋の一室で落ち着き無くうろうろしていた
そこに蘇芳、神花、恋の姿は無い
音々音「………はぁ、退屈………い、いや!ねねは何を言ってるのですか、ねねは父上殿達からお留守番を任されているのですよ?それを退屈だなんて………しっかりするのです陳宮!」
ペチペチと顔を両手で叩く音々音
音々音「とは言え………ねねは役に立っているのでしょうか?」
勿論、音々音は役に立っていようがいまいが蘇芳達が自分を家族と言ってくれる事は理解している
音々音「………それでもねねは役に立ちたい。父上殿に、神花殿に、恋殿に恩返しをしたい」
音々音がそんな決心をしていると
蘇芳「今戻ったぞ、ねね」
音々音「お帰りなのです父上殿、神花殿、恋殿!」
神花「ただいま、いい子にしてましたか?」
音々音「むぅ、ねねは子どもじゃないから当然なのです」
恋「………いいこいいこ」
なでなで
音々音「れ、恋殿ぉー………」
恋「………?」
恋の一切悪気の無いその笑顔に怒るに怒れない音々音だった
・
・
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音々音「神花殿!」
神花「はい、どうかしましたか?ねね」
夕食も終わり、後は寝るだけの時に音々音は神花の部屋を訪ねた(今回は蘇芳と神花、恋と音々音という部屋割りで、蘇芳は寝る前の鍛練の為外出中)
音々音「実は相談があるのですが………」
神花「私に相談………ですか?なら立って話すより座った方がいいですね」
音々音「はいなのです」
二人は部屋にある椅子に座る
神花「それで何を相談したいのですか?」
音々音「………ねねが父上殿の娘になってから早数ヵ月、ねねは全然父上殿達の役に立っていないのです。見ての通りねねの体は小さく、武には向いてない。かといってまともに学問を学んだ訳でも無いから知恵も出せない………どうすればいいのですか?」
神花「………ねねはそんな風に考えていたんですね………あの子と同じように」
最後の一言は神花自身にしか聞こえないくらい小さな呟きだった
音々音「お願いします!神花殿!」
神花「私は全然構いませんよ。でも何故私なんですか?」
音々音「えっと、その、父上殿には多分はぐらかされるだろうし、恋殿は………」
神花「………確かに恋にそういう事は向いてないでしょうね」
お互い顔を見合わせて苦笑する二人
神花「なら明日から私が学問を教えてあげますね」
音々音「学問と言うと………」
神花「はい、私が教えるのは兵法です。お父様から授かった知識の全てをねねに教え、立派な軍師として育て上げます!」
いつにも無くテンションの高い神花であった
音々音「ねねが軍師になれるのでしょうか?」
神花「それはねねの努力次第です。でもねねならなれます、お父様の娘の一人ですから」
その言葉は力強く、暖かく、真っ直ぐだった