恋姫小説

□真・恋姫†無双〜蘇芳列伝〜 第弐話
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ドオォン!


賊A「ぎゃーっ!」


ドゴォン!


賊B「ひぃーっ!」


ズシィン!


賊C「ぐぁーっ!」


恋が身の丈よりも大きな戟を振るう度、賊達は阿鼻叫喚


恋「お前ら………弱い」


恋はつまらなそうにそう呟く


神花「す、凄まじいですね………」


蘇芳「ああ、相変わらずだな………さ、俺達も負けてられないぞ?」


神花「はいっ!」


神花は二つの円月輪を、蘇芳は刀を構えて賊達へと突き進む


蘇芳・神花「「はぁぁぁぁー………っ!」」


ザシュザシュザシュザシュッ!


賊達『ひぎぃあぁーっ!』



三人が一度に何十人もの賊を薙ぎ倒していくその姿はまさに………





龍だった





【真・恋姫†無双〜蘇芳列伝〜 第二話】



村人「あ、ありがとうございました!最近の賊は自警団だけでは手に負えず困っていたんです」


蘇芳「いや、困った時はお互い様だ。それより村の人に怪我人は?」


村人「大丈夫です。貴殿方が殆んどの賊の相手をしてくれたおかげで村人に大きな被害はありませんでした」


蘇芳「ならよかった」


蘇芳はほっ、と胸を撫で下ろす


村人「ご心配頂きありがとうございます。あの、もし宜しければ御礼をしたいのですが………」


蘇芳「別に構わ無い。路銀の方を暫くは大丈夫だし御礼なんて………」


恋「…(ぎゅるぎゅるぎゅー)」


恋のお腹の音が話に割り込んでくる


村人「………」


恋「………お腹空いた」


蘇芳「………お言葉に甘えて食事を貰おうかな?」


恋「………(コクッ)」


恋は嬉しそうに頷く


神花「あはははは………」




恋と出会ってから早一年、相変わらず蘇芳達は旅をしながら世直しをし、恋もすっかりと蘇芳達に馴染んでいた


恋「………ご馳走様」


村人「………(ポカーン)」


村人は目の前で起きた惨劇(?)に呆気をとられていた


蘇芳「恋、少しは遠慮しないとこの村が滅びるぞ?」


蘇芳は恋の周りに積み上げられた皿と蒸籠を見て言った


恋「………??」


恋はよくわかっていないようで、首を傾げる


神花「すみません、恋がこんなに食べてしまって………」


神花は恋の代わりに未だポカーンとしてる村人に謝った


村人「………えっ、ああ、だ、大丈夫ですよ。蓄えはそれなりにあるし、賊から取り戻した食料もありますから」


蘇芳「そう言って貰えると助かる」


もし恋のせいで村が滅びたらどうしようかと考えていた蘇芳だった


村人「それより貴殿方はもう村を出ますか?」


蘇芳「いや、もう日が沈んできたから明日出発するつもりだ」


村人「なら私の家にお泊まり下さい。この村には宿屋はありませんし」


蘇芳「悪いな、迷惑をかけて」


村人「いえいえ、貴方もさっきおっしゃったじゃないですか、困った時はお互い様って」


蘇芳「ははは、違いない」
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