運命の物語

□火の国 ファンバーレ国
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「なによ、もうお仕舞い〜?」


倒れている男達を見下ろして私は言ってやった。

「くっ…覚えてろよ!」

悪党がよく言う捨て台詞を残し男達は走って逃げていく。

「まったく…」

その様子を見た後、後ろに座り込みポカンとしてる女の子に手を出しながら聞いた。

「大丈夫?まったくあいつら集団で女の子を襲うなんて!でも無事で良かった…」

「あ、ありがとうございます」

女の子は立ち上がるとペコリと効果音が付きそうなくらい深く頭を下げた。

「いいのよ。ほら、顔をあげて?」

こんな事を言ってるがつい口元がニヤついてしまう。

人助けした後、この感謝される瞬間。

何度体験しても気持ちのいいものだ。

この瞬間を味わうために人助けしてるようなものだ。


助けた女の子はこっちを何度も振り返って頭を下げながら去って行った。

「はぁ〜。…痛てっ」

優越感に浸ってると、突然頭を叩かれた。

「ア、アミュー…」

「ルゥロ!!どこ行ってたの!?急に居なくなって―」

アミューの目は血で赤くなった私の拳で止まる。

「…まーた、ケンカしたのね」


「へへ…」

「確かにあんたはケンカは強いわ。その無駄な馬鹿力もあるし。でも―」
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