「ー…」
「…。どうしたんですか先輩」
「ぇ?…痛っ」
お昼になると急に騒がしくなる食堂でのランチ。
優雅に食事なんてできないですー。
先輩のカレーの食べ方がちょっと不自然だったんで訊ねたんですけど…
悪いことしちゃったみたいですー。
「口内炎ができちゃってさ」
イタタと言って唇を引っ張って見せてくれたのはおっきくて白い塊。
「痛そうですねー」
「やっと治ったと思ったらまたできてたんだよー!」
ソレが気になるのか、舌で触って痛いと顔を歪ませて涙目になる先輩。
(なんかアホだけど可愛いですー)
「でも口内炎って野菜食べてないからできるって聞きましたけどー」
「う。…で、でもストレスでもできるって聞いたもん。きっとストレスだよ!」
「何にストレスがたまるんですか」
「それは…フランくんが毎日わたしをからかったり、イジメたりしてくるから…」
「………。」
「(あ なんか嫌な予感)」
「先輩の言い分はよくわかりましたー」
がしっ
「んん!」
いきなり口の中に何かが入れられて、強い力でフランくんに頬っぺを掴まれた。
「(痛い…)ぐちゅ」
ん?今ぐちゅって何かが弾ける音がしたような…って
「いきゃああああ!」
「必殺トマトの刑ですー」
トマトの汁が口内炎にしみてのたうち回るわたし。
それを見てふふんとしてやったりなフランくんの顔を睨まずにはいられなかった。
(まあ先輩がそんなにイジメてほしいんなら、明日からもっと過激に…)
(しなくていいから!ていうかイジメないでよ)
(いやー…先輩はイジメがいがあるので癖になります)
(………)
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