逃
□触れてしまえばⅡ
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翌朝､まだ太陽が顔を出す寸前のころ
[ブーッ､ブーッ]
テーブルの上に置いた携帯が鳴り出す
俺はのそのそと手を伸ばし画面を見るとそこには
[頭領]
の文字が踊っていた
｢…はぃ｣
[寝てるときにごめんな]
わかってるならかけてこないでくれ…
｢大丈夫です｡
何かありましたか？｣
[これから烏森に戻ろうと思うんだ]
｢いきなりですね｣
[あぁ]
墨村が無事なのを確かめにくるつもりか
[良守には内緒にしててくれないか？]
珍しい
｢わかりました｡
でもなんで…？｣
[あいつ俺には反抗的だからな…]
頭領の声はため息混じりの悲しみを含んだものだった
｢でも結局は家で会うんじゃないですか？｣
[いや…
実家には戻らないょ]
｢何故ですか？｣
[まぁ…ちょっとな｡
だから今日から限のとこに泊まらせてもらうから]
｢ぇ…
はぃ｡
わかりました｣
[それじゃぁ]
｢失礼します｣
[ツーッ]
きっと何か企んでいるに違いない…
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