BROTHERS LONG
□Mon soleil.
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握手会から数日後
久々に夕食時に帰宅出来たボクは、リビングへと向った
『ただいま〜っ。て…どうしたの?』
リビングにいた兄弟達が、一斉にボクの方へ振り向いた
弥「おかえり〜っ。あっ、まやちゃん!みてみて」
そう言って弥くんが指さすのは、かな兄の携帯
要「これだよ」
差し出された携帯の画面には、トレンドニュース一覧が表示されていた
要「この記事が面白くてね。まやちゃんはもう知ってた?」
『これって…』
先日、風斗くんの学校で行われた文化祭
そこで、女装をして踊るボクの写真が掲載されていた
要「まやちゃんそっくりの美少女が、文化祭でプロ並みのダンスを披露していたって記事なんだ」
『へ、へぇ…』
要「ちなみに、偶然にも風ちゃんの通う陽出高校なんだって」
光「そうそう、これ。結構な話題になってるみたいよ。お昼のワイドショーでも取り上げられてたみたいだし」
そう言って、にやにやとした顔でボクを見るひか兄
ぜったいにバレてる…っっ
そりゃ、女装のプロだもんな
要「誰かがSNSに投稿して話題になったみたいなんだけど、どうやら彼女はこの学校の生徒じゃないらしいんだ」
『そうなんだ…』
光「まっ、そこもミステリアスで話題になる理由の一つなんじゃない?」
あーもう、そんな目で見ないでっ
要「世間では現実離れした容姿から、妖精って話題になってるんだけど…。ぶっちゃけどうなの?」
『…っ』
光「直接聞いちゃうんだ」
要「だって、ひいちゃんも気になるだろ?」
光「別に聞かなくてもねぇ。分かるわよ」
この2人、分かってて言ってるよね
別にそこまで隠すような事でもないから、良いんだけど…
『そうだよ、この写真はボク』
弥「ええっ!!ほんと!?じゃあ、しょうらいはボクのおよめさんになって!」
『…はい?』
要「あははっ。わたってば、この写真を見て彼女に一目惚れしちゃったみたいでね」
光「そうそう。さっきから煩いのよ」
弥「ぜったいにしあわせにするから!」
『…うん、ありがとう。考えておくね』
そう返すと、キラキラとした目で弥くんは喜んでいた
まぁ、いいか
すると…
バタンッと、勢い良く部屋の扉が開いた
侑「あーもうっ。どうなってんだ!」
要「お帰り、侑ちゃん。いったいどうしたの?」
侑「ただいま。あのよ、かな兄もうちの学校のニュース知ってっか?今日、それで学校中が大騒ぎでさっ。正門前にテレビの奴らが凄げーのなんのって…」
沈黙の流れるリビング
『ごめん…』
侑「なんで茉矢が謝るんだよ…。って、まさか…」
『あれ、本当にボクなんだ』
侑「まじかよ…」
クラスの奴ら、残念がるだろうな〜。なんて零す、ゆう兄
すると、ボクの携帯に着信が入った
『はいっ』
<「あっ、やっと出てくれた!」>
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