海が導く
□act.47
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LAWside
島を発ってから3日が経つ。
あれから、永久を覚えていないというクルーが、一人が二人に、二人が四人に。
その数が日に日に増していったのだ。
「船長、クルーにまた…」
「チッ、どうなってやがる」
永久を覚えていないクルーの人数が増えるに増して、どういう訳なのかアルメリアに好感を持つクルーも増えていた。
「永久を忘れているクルーは、気絶させ元に戻す事が出来ています。しかし、今後どうなるかは不明です」
「アルメリアに好感を持ち始めてるクルーに関しては、全く対策が分かっていない状況っス」
船内の状況を探らせていたペンギンとシャチから報告を受け、ローは眉をひそめ考え込み出した。
「現時点で変化のないクルーは、お前達、ベポとイルカだけか」
それ以外のクルーは何らかの変化があったという事だ。
現在の状況としては、よろしくない状況であった。
「アイツが作戦に乗ってきたと考えていいだろう。いいか、絶対に永久から目を離すな」
アルメリアはオレがどうにかする。とそう言うと、ローは二人を部屋から追い出した。
その日の夜、ローはアルメリアの部屋へと来ていた。
「ローの方から私のところに来てくれる何て、凄く嬉しいわ」
「アルメリア、お前に会いに来た訳じゃねえ。これ以上、オレの船で勝手はするな」
「言い掛かりは止めて。私が何かしたという証拠でもあるの?」
無いのでしょ?とベッドに腰掛け、自信ありげに言う。
しらを切るアルメリアの態度にローは無理矢理聞き出そうと近寄る。
途端、アルメリアに腕を引かれローはベッドに腰掛けるアルメリアの上へと倒れ込んでしまう。
「ロー…」
倒れ込んだ途端、アルメリアは色香を漂わせローの首に腕を回す。
「離せ!」
引き剥がそうとしたと同時に、ノックも無しにドアが開いた。
『アルメリアさん?……ッ!!』
ドアが開くと共に聞こえてくる声にローが慌てて振り向くと、目を見開いた永久が居た。
「永久?!」
『っ、ごめんなさい!!』
泣きそうな表情を浮かべ、部屋を出て行く永久を追う為ローはアルメリアを引き剥がし追い掛ける。
「待て、永久!」
パシッ、と腕を掴んだのだが、
『嫌っ!!』
その手を振り払われたのだ。
『……ごめん』
やはり浮かべる表情は泣きそうなもので、これ以上永久を追い掛ける事はローには出来なかった。
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