海が導く
□act.24
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島を出てから2日。
「おい、これ見てくれよ!!」
食堂に駆け込んで来たのは、慌てた様子のシャチだった。
「どうした、シャチ」
「ニュースクーが新しい手配書持ってきたんだよ」
「それがどうした」
いいから見てみろって!と、机の上叩き付けるように置いた手配書に写っているのは、我らが船長トラファルガー・ローであった。
「船長の懸賞金が上がってるんだよ!!」
「「「本当か!!」」」
シャチがそう言った途端、飯何て後だとでも言うようにわらわらと手配書の周りに集まっていく。
『あれ?みんな何してるの?』
「〈遊んでるの?〉」
食堂に来た永久とユアが目にしたのは、一ヵ所に群がるクルーの姿。
「聞いてくれ、永久!船長の懸賞金が上がったんだ」
ほら、と永久の目の前に手配書を持っていく。
『1億2千万B?』
「億越えのルーキーになったんだぜ」
言っている事がよく分からず、永久はそれがどうしたのと首を傾げる。
「懸賞金が上がるって事は、それだけ海軍が船長の事を危険視してるって事だ」
『うん。それで?』
「それで?…じゃねえだろ!!それだけロー船長がすげぇって分かるだろ」
凄いだろと熱く語るシャチだが、全く永久には響いていなかった。
「朝から何騒いでやがる」
「「「船長!!」」」
眠たそうに食堂へやって来たローは、騒いでるクルー達に向けて微弱だが殺気を放っていた。
「船長、これ見て下さいよ」
怖いもの知らずというべきなのだろうか。
シャチは、手配書と新聞をローへ見せる。
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