月が導く

□act.27
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水族館を見て回った後、近くのカフェに立ち寄った。


『何飲みます?』
「コーヒー」
『えっと、コーヒーとカプチーノを一つずつ』


注目すると、店員さんは慌てた様子で「かしこまりました」と言う。
周りの女性もそうだが、皆ローさんに視線を向けていた。
格好良いからなローさん。


「鬱陶しい」
『仕方ないよ。ローさんみたいな格好良い人何て、良く見れるものじゃないからね』


まあ、その視線が私にまできてるのは気に食わないけど。


「オレを格好良いと思ってるのか」
『一般的な観点から言ってもそうだし、私もローさんは格好良いと思ってるよ』


それは出会った時から思っている事だから、特に気にする事もなく言った。
すると、何処か機嫌が良くなったのか、先程まで出していたイライラオーラがなくなった。


「そうか」
『(だいぶ分かるようになってきたな)』


機嫌の善し悪しが分かるようになってきたのは、良い事なのだろうか。


「行くぞ、永久」
『え?ここで飲まないの?』
「視線が鬱陶しいこんな所で飲めるか」


そう言うと、ローは永久の手を掴みカフェを出る。


『待って、ちょっと!!零れるっ!!』


両手に持っているコーヒーが歩く度に揺れ、今にも零れそうになり永久は声を上げた。


『あそこで飲みたくないなら、無理にあそこで飲もう何て私は言わないよ』
「悪い」


ばつが悪そうな表情をし、ローは永久の腕から手を離す。


『はい、コーヒー』


永久が差し出すコーヒーを受け取る。



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