小説
□理由
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いつものようにアイツが月を眺めているから俺は黙って隣に座った。
拒否なんてさせねぇし。
「何でお前は月ばっか見てんだ?」
理由なんざ知ってるが、聞いてみた。
「綺麗だからよ。」
雪ん子はクスクス笑う。
…嘘つけよ。
「けっ。お前が俺の質問に素直に答えるわけねぇだろ。」
「嘘。」
知ってるよ。
「リクオ様が月をお好きだから…。きっと今頃どこかで見てるんでしょうね。」
いきなり真顔で答えんなって…。
なぁ?雪ん子?
お前が月を見てリクオを想うなら
俺も月を見てお前を想っていいか?
…まぁ。嫌とは言わせねぇけどな。
■END■
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