小説庫
□いつかきっと、どこかで・・・。2
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ガラッ
「わっ!!」
「きゃ!」
キャンデの家の扉に手を伸ばした瞬間、俺の手が扉に触れる前に反対から扉があけられた。とっさに飛びのき、後ろに手を回す。
「お、っす」
「お、おはようケーちゃん・・・」
立ち尽くすキャンデに無理矢理笑みを浮かべると、はっとした様子でキャンデは顔を伏せた。
「(ん?)」
何かあったのだろうか。
「熱か? 顔真っ赤だぞ?」
「! 何でもないっ」
「・・・? そっか」
明らかに顔が赤いのに、キャンデはそれを隠す。何だか大人しいし視線も泳いでいるし、いつものコイツらしくない。
「(あ)」
もしかして、俺が誕生日を忘れてると思ってるんじゃないか? だから沈んでるとか?
思わず俺はにやりと笑ってしまった。これくらい沈んでもらっていたほうが、驚かせ甲斐がある。
「なぁキャンデ」
「な、何?」
「・・・誕生日プレゼント」
「え!?」
「が、無いって言ったらどうする?」
意地悪く言うと、キャンデは一瞬きょとんとしてから脱力した。
「別に期待してないわよ。それより用は何?」
「まあまあ、そうつれないこと言うなって」
本当は用意してあるんだからさ。