月夜ノオトシモノ

□伝えたい想い
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――残された時間は、あと二日。



自分はナオちゃんに気持ちを打ち明けなければいけない。



「ウサギ…今日も見てるのか」



朝の空を見上げて、問い掛けてみても返事はない。



でも多分、見守ってるんだろう。愚痴愚痴と文句を言いながらさ。



その姿を想像して少し可笑しくなる。あいつ、生意気で偉そうでむかつくけど――…面白いよな。


そういえば、俺ってあんな風に誰かとしゃべったのも久しぶりなんだよな。もともと友達も少ないし。




人参ジュース気に入ってたみたいだし。今日の晩にまた買ってきてやろっかな。



あ、でも自分がナオちゃんに気持ちを伝えたらウサギはあのビルから居なくなるんだよな。




――そうか、そうだよな。



オレの願いが叶えば、あいつとはお別れなんだよな。




じゃあ―…もう。あの生意気ウサギには会えないってことかよ。




「……。まあ、いいけどよ」



別にいいじゃん。あんな野郎。願いが叶えばあいつもあのビルから出られて万々歳なんだろ。もう関わりあう必要もないんだぜ。
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