月夜ノオトシモノ

□護、豹変する?
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――目が覚めると、見慣れた天井が目に入る。俺は自宅のベッドの上にいた。




「あれ…?」



俺、三日月ビルに居たんじゃなかったっけか。


そんで変なウサギ少年に会って、願いを叶えたるとか言われて――…そうだ。変な団子を食べたんだ。



そこから記憶がない。
まさか―…全部夢?
いやでもかなーり、リアルな夢だったぞ。



「……?」



あれ、俺なんか違う?



ふいにベッド脇にある、鏡を見る。いつもの俺。顔は変わらない。



いや、待てよ。なんだこの身体の底からひしひしと漲ってくる妙なエネルギーはッ!?


俺は鏡を三分以上、
見つめていたと思う。



そして―…今までの自分じゃ決して口にしないような言葉を吐いたのだ。



「オレ、今日も超カッコよくね?つーか俺イケメンみたいな?」



――!?



あれえ…俺こんなキャラでしたっけ?



ん?待てよ。



しかし、そんな疑問はどうでもよくなってきた。



――オレはオレじゃねえか!



「ウサギの野郎、とんだことしてくれたな。まあいい。お前の言う通り、三日間でナオを物にしてやるよ!はははっ、楽勝楽勝」


そうだよ。部屋で寝ている暇はねえッ。今日もサクサク働いて、仕事が終わったら早速ファッションビルに向かうぞ。



三日間?そんなにいらねえよ。



一日でなんとかしてやるさ。オレは今までの笹木護じゃねえ。どんなことだって今のオレには朝飯前だ!


いつもの護ならうだうだベッドでうたた寝してる時間だ。しかし、オレはベッドから飛び起きるとさっさと出掛ける支度をはじめる。





見てやがれ、ウサギ。
明日にでもお前をボロビルから解放してやるさ!
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