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□素直な気持ち
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「ハァ…」
今日何度目か。尽きる事を知らない私の溜息。
机に突っ伏して目を閉じてても、渡り廊下で風を感じてても、
窓の外の遠い町を見つめてても、気持ちが晴れない。
……というのも、小学校からの友達とケンカしたのが原因。
私が悪いのは分かってる。
でも、今までケンカなんてしたことないし、謝るのも勇気がいるし、
少し恥ずかしいような気もする。
もう1週間も経つだろうか。
まだ仲直りできるのだろうか。
不安や後悔。
そんなドロドロした感情が心を支配して、今日も何も出来なかった。
放課後の教室で、また一人後悔。
そんな後悔が積もり積もり、私の心はパンク寸前まで追い詰められてる。
そんな気がした。
下校を促すメロディが流れ、一人、校門をくぐる。
いつも通学に使ってる駅の改札、いつも使ってるカードをかざし、足を進める。
その時、カードが不思議な光を放った事にも気付かず……。