復活

□Sweet Winter
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「出来たわよ」

「本当に作ってくれたんだ!
 あ、とりあえず上がってよ!」


彼の部屋。

嬉しそうに、丁寧に包装紙を開く彼を見ると、
私まで嬉しくなっていく気がした。



「これ…長くない?」


中から出てきたのは、妙に長いオレンジ色のマフラー。

そして、予想通りの反応だわ。


「うん、二人用だもん」

「え?」


「ツっ君、よく居残りさせられるでしょ。
 そしたら私も残らなきゃいけない。
 そしたら2人一緒に帰るんだから、1本で良いと思ったの」


「な…っ」



真っ赤な顔で口をパクパクさせる彼。

これも予想通りの反応。



「そっ、そういうのはカップルとかがやるんだろ!
 ていうか実際やってるの見たこと無いよ!
 なんでオレたちが…」


りんごにも勝るその赤さ。

あぁ、見てて面白い。


なんて言ってる場合じゃない。

まだ伝える事がある。



「…私は、

 ツっ君とそういう関係になりたい」


「…ぇ」


「幼馴染なんて、もう飽きたわ」



いくらなんでも赤すぎやしないか。

それは、やっぱり私をそういう風に見てなかったってことで…


「あ、お、オレ…」


キュッとマフラーを握り締め、彼は言った。


「このマフラー…使いたいから…
 っていうと変だけど…その…

 そういう関係でも良いと、思う…」



消えそうな声で言った。

するとマフラーの半分を自分の首に巻き、
反対側の端を私に渡した。


「ふ、二人用なんだろ!」


本当、可愛いなぁ。


「そうだね」




こんなに温かいマフラー初めてだわ。


Sweet Winter


(でも、居残りは減らしなさいよ)(…はい)



end.
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